ユビサキからあなたへ

放課後。




やっぱり今日もダメだ。

走っても走っても、気がまぎれない。



あのことを考えるたびに、
ストレスが溜まってくるのがわかる。





気づいたら息切れしていた。

あーっ!もうしんどい!





「由里!」

水道の蛇口に向かったあたしを誰かが引き止めた。





竜二。



サッカー部もちょうど休憩か。

少し汗ばんだ顔もカッコイイなぁ…。






「お前さぁ、佳奈とケンカでもしたのか?」

「えっ?」

「いや、なんか気になってな。」

竜二は人差し指で頭をかく。