ユビサキからあなたへ

気持ちが離れている。

それは俺も、うすうす感じていた。



中学校の卒業式、俺は恵を放送室に呼んで告白した。

お互い別々の高校に進むことはすでに決まっていたので、俺にとっては一か八かの賭けだった。

でも、恵は
「浮気すんなよ。」
と言って俺の手をとってくれた。



高校が始まるまでの春休みは、毎日のようにデートを重ねた。

遊園地に行ったり、映画を見たり、ゲームセンターで暇を潰したり…。

親が家にいない日には、恵を家に呼んで俺にとってのファーストキスもした。


毎日が華やかだった。