佳奈だ。

あたしを睨みつけている。



そこにいるのはあたしの知らない佳奈。

1年以上一緒にいて初めて見る、怒った佳奈だった。






「友香から聞いたよ。」

「えっ?何を?」

「とぼけないで!」

そんなこといってもホントに思いつかない。

「わかんないよ!何のこと?」

「心当たりないわけ?」

「ないよ!何なの!」

「由里が竜二を好きだってことよ!」





えっ?

友香から?



待ってよ!

友香には言ってない!

一言も言ってない!!

友香が知ってるはずがない!!



「とにかく、絶交だかんね!!」


そう吐き捨てると、佳奈はその場から走り去った。