ユビサキからあなたへ

それでも今回ばかりはダメだ。




走っても、

走っても、

忘れられない。



佳奈のセリフひとつひとつが、頭の中にこびりついて離れない。





なんで涙が出るんだろう。


どんなに嫌なことがあっても、

どんなにツラいことがあっても、

今までなら走ることでリセットできたのに。





きっとあたしが自分で思ってる以上に、木下由里は田村竜二が好きなんだ。

大好きなんだ。




佳奈を応援しつつも、どっかで佳奈が失敗することを望んでる自分がいるんだ。




なんて最悪な女。