ユビサキからあなたへ

この場所にいたくないって思ったのは、



きっと他のお客さんの視線が気になるとかよりも、



佳奈のその答えを聞くのが恐かったからなんだ。





身構えが不十分だった。





さっきまで一緒に笑いながら買い物して、笑いながら友香のコイバナを聞いてたはずなのに…。



一瞬で視界が白くなる。

涙が沸き上がってきたんだ。

なんて弱い人間なんだろう。

なんて脆い人間なんだろう。






耐えきれない。






ガタッ






気づくとあたしの足は店のドアに向かっていた。