ユビサキからあなたへ

さすがの佳奈も、さっきまでのテンションを失った。

表情がこわばっている。



友香が軽く咳払いをした。

周りにいたお客さん達が、次々とあたし達に視線を向けては逸らす。



この場所にいたくない。



そのことだけが、頭を占領した。





「竜二と何したの?佳奈?」

友香が再び聞いた。

今度は小さい、落ち着いた声で。












「…H。」





聞きたくなかった。