ユビサキからあなたへ

「フラれたの…。」




恵が放送室で俺に泣きついてきたのは3年生の夏休み明け、
ちょうど去年の今頃だった。

事情を聞けば、篠原は新しいクラスで恵の他に好きな子ができたらしい。


「もうお前とは付き合えないって…もう連絡もしてくんなって…。」


そう泣きながら話す恵を見て、無性にやるせなくなった。