私立大阪東ヶ丘中学の卒業式は、3月15日だった。

この日僕は半年ぶりの学校だった。

不登校だったが、気持ちは学校に行けないから行かないのではなく、行く必要がないから行かなかった。


うんざりだった中学校の卒業式に出ることに悩んだが、もうこれから一切関わることがないからと、最後にけじめとして参加することにした。

いじめ、ケンカ、タバコに恋愛がらみのいざこざが、四方八方に転がり、ぶつかりあっていた。

そこから抜け出し、自分の道を見つけて高校に行くことが、目標だった。

私立の中学は高校にエスカレーター式に上がれる。地獄のように大変な高校受験を受けなくていいのが特徴だ。

このシステムに、金持ちな親達は期待し、多額の学費を払っていた。
それ以外に親達は、子供が、野蛮な生徒溢れる公立学校に行かしたくないという気持ちが強かった。

ただ、私立は見た目には安心できるが、陰険な罠がたくさんだ。

人間としてありえない経験をしてしまうこともある。

まだ公立学校の方が、やり方がすっきりしているのだ。


いつか必ずここを出てやる。そう強く誓い、たくさんの紆余曲折があり、僕はその式にいた。