向こう岸のきみ【掌編】




「はぁ?」



彼はますます首をひねった。



「暮らす?こんな何にもないとこにかい?」



娘はにっこり、うなずいた。



「ええ。」








そうして、長いこと一人ぼっちだった彼に、初めて話し相手ができたのだった。