Cherryblossoms...14



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「緊急患者通ります、開けて! 道を開けてください」

「獅堂さん、獅堂さん、聞こえますか?」



ガラガラガラ、ストレッチャーが緊迫した音で廊下を走り行く。

腕に刺さった点滴の針、口元にはマスク。

青白い顔をした獅堂秋羽が運ばれていく。

意識を失って時間は浅いものの、出血の量が多く、時は一刻を争う。



後ろからついてくる大勢の人間たちは、オペ室に運ばれていくその姿を黙って見送るしかなかった。

手術中、と赤いランプ点灯する。

呆然と立ちすくむもの、設備されているソファに座るもの、それぞれが動揺を隠せずにいる。



「秋羽っ……」



手術中のランプを睨みながら、祈るように西条歩は声を絞り出した。





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