感情を奮い立たせるのは簡単だ。
だけど、芯がしっかりしてない感情に油を注いでもただ燃え上がるだけ。
持続することは難しい。
俺の役目はその炎を持続させる助言することだ。
……いまだからそこまで頭が回る。
前まではただ単に猪突猛進しろ的な言葉しか行ってなかったように思える。
歩が後ろでフォローしていなかったらきっとコスモスは続いていかなかったんだろう。
なぁ、今だから分かるンだ。
「1日限りの“コスモス”の復活だ。お前らには全力でぶつかって欲しい」
「……秋」
驚いたような歩の声に、口角を上げる。
「俺がいるチーム、それはコスモス以外にねえだろ」
「……はっ、そうだな!」
コスモス復活の声に、輩たちが盛大に盛り上がり始める。
ガレージに反響してあっちこっちから歓喜の声が聞こえる。
俺の桜もきっともう散ることを恐れていない。
堂々とそこに立って、満開に咲き誇り、花びらをチ散らし、桜吹雪を巻き起こす。
何も恐れない、小さくても立派な桜だ。
「いいか、てめえら! コスモスは負けを認めねえ! 此処に持ち帰ってくるのは“勝利”だけだ!!」
咆吼の声に輩たちが唸り声をあげる。
「うおぉおおぉおお!!」
「コスモスの復活だあぁあああ!」
「打倒、仏!!!」
懐かしい光景に目を細める。
俺の生きてきた場所だ。
汚くても周りから認められない所でも、俺にとっては家だった。
帰る場所だった。
1日限りのコスモスの復活を喜ぶのは輩だけではなく、俺も同じだ。
胸の芯が熱くなり出すのを感じつつ、静かに目を閉じる。
そして言葉にせず心の奥底で呟く。
こんな俺を慕ってくれてありがとう、と。


