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「獅堂さん! 俺らはアンタの強さに惚れたんだよ! 弟子にしてくれよ!」
目の前に広がる光景に、俺は頭を抱えたくなる衝動に駆られる。
数人の男たちが土下座するような形で頭を下げている。
……いい加減にしろ、ボケ。
「断る」
「獅堂さん!」
名前は知らねえが、一度コイツ等と喧嘩をした。
喧嘩つっても、俺が売ったわけじゃなくコイツ等が売ってきた喧嘩を買っただけ。
まあ、勝敗はこの様を見れば分かるだろう。
俺は眉間のしわを更に深くさせながら、同じ目線になるようにしゃがむ。
「目障りだ、失せろ」
低く唸るとそれ以降口を開かなくなった輩を見下し、背を向ける。
と、同時に後ろから俺を呼びとめる声。
ああ、ここに来てから不快な事ばかり起きる。
「秋羽! ああ、もう! やっと捉まえた」
小さく荒い息を吐きながら俺を見上げたのは原沢だった。
怒りの表情が見え隠れする顔を見て、俺は次に何を言われるのか予想できた。
「文化祭の買い出し! 秋羽が買い出し係なんだから、ちゃんと買い物に行ってくれなきゃ困る。……なにその目は? ちょうど佐倉先生も買い物あるから、一緒に行こうって! 校門で待ってるらしいから、早く行って」
用件だけ告げると、忙しそうに俺の横を通り抜けていく原沢。


