散らないサクラ



* * * *



俺は隣に背を向けて寝ている佐倉の腰に腕を回す。

あの日から、俺は佐倉と夜を共にするようになった。

1回目をしてしまえば、後は玉が転がるように同じ事を繰り返す。

まるで猿のような行動に苦く思いつつも、俺は愛しい女を腕の中に抱ける事を嬉しく思っている(末期だと感じてる)。


抱くたびに……、いや抱かせてもらっている度に虚しい思いは募っていくけど。

それさえも、行為中は考えられないほど夢中になる。



「……弥生」



寝たのか、と確認を取る声に弥生の体が動く。

直接伝わる体温が、愛しい。



「ん?」

「…………なんでもねえ」

「なんだそれ」



クスクス、と笑う声が耳をくすぐる。

甘ったるい空間。

そう思っているのは俺だけかもしれないが、それでも俺はいいのだと、自分に言い聞かせる。



「秋羽、学校楽しそうだね?」



楽しそうな声が聞こえ、俺はそれに眉を寄せる。

黒王学園に通うようになって1ヶ月。



「……楽しそうに見えンのか、お前の眼は」

「少なからず秋は本気で嫌がってない」

「……っち」



俺は良い意味でも悪い意味でも有名になっていた。