タリドの館 ~そのオトコ、支配人~

視線が再び

洋館に向いた。


怪しげではあったけれど

なんとなく魅力的で

再び動き出した足が

止まることはなかった。



開いた状態のまま錆びれた

正面の門を何事もなく通り


花のない花壇や

枯れたまま放置された木々


左右の景色には目もくれず

館の入り口へと

まっすぐ向かうのだった。