タリドの館 ~そのオトコ、支配人~

タリドは

静かに足を踏み出し

ユリの絵にそっと触れてから

右の扉を開いた。



そしてこちらを見ては

笑顔で頷くのだった。



「どうぞ」



足は魔法にでもかかったかのように

考える前に動き出した。



ユリの絵の飾ってある側の

右の扉の入口に向かって。