「あ、ここの角を右でお願いします。」

「了解。」


ウィンカーを右に。

カッチカッチ…


左右を確認して、ゆっくり右に。


「その白い家がそうです。」


「そか。」


もう着いた。


「お家の人はいるのか?」


「……いえ。」


シートベルトを外して、ドアを開けて車を降りた。


「一人で大丈夫か?」


エンジンを止めて、車から先生も降りた。


「大丈夫ですよ。
もう小さな子供じゃないんですから。」

「だな。じゃあまた明日な?」


小さく手を振ってくれたのに対して、私も小さく手を振り返し


「有難うございました。
また…明日。」