「ふんっ!!
さ、理恵行こう。」

お母さんがニッコリして私の腕を引っ張った。


お母さんの変わり身の速さ…怖い。


でもでも、やっぱりアチコチから感じる視線。


やっぱ、ほっとかないよね…。


「此処で見てみようよ。」


お母さんが入ったのは紳士服専門店。


てか、此処ブランド店?


お金ないのにぃ…。

「ネクタイ見せてもらえるかしら?」


「はっ…はい、こちらです。」


スーツに身を包んだ男性店員さんが、お母さんを誘導して行く。


うわっ、このスーツたかっ!!


一着2万円て…何処に着て行くんだよ…