「ごめん。腰に手を廻すからな?」


「いい…ですよ。」

私のその言葉の後、申し訳なさそうに私の腰に手を廻し、体を支えてくれて、一歩一歩ゆっくり歩く。


時折、「痛くないか?」

と聞きながら。


「大丈夫…です。」

そう答えながら。


二人で歩く。


授業中だから、シンと静まり返った校舎には、


私と先生の足音だけが響く。