授業が始まる事を知らせる予鈴が鳴った。



「美咲、先教室に行って?
私、ちょっと保健室に行って来るね。」


「え、理恵?」


一時間目は日本史。


こんな顔じゃ逢えないよ。


「失礼します。」


保健室のドアを開けると養護の先生がいた。


「あら、どうしたの?」


「三年の飯塚です。何か気分悪くて。」

顔を覗き込んだ先生が、私の泣いた顔を見て、すぐ分かってくれたみたいで、ベッドを使う様に言ってくれた。