店も落ち着いてきて、お客さんは先生だけ。


「理恵ちゃん、ちょっと店番頼んでいいかなぁ?

足りない物を買いに行きたいんだ。」


エプロンを外したマスターが、カウンターから出てきた。


「あ、はい。
いいですよ。」


「じゃあ、宜しくね。」


財布片手に店を出た。


やっと一息つける時間。


「理恵。
バイト頑張ってるから何か奢っちゃる。
好きなもの入れてきなよ。」


「うん。」


奥に入って、冷蔵庫からオレンジジュースを出して、グラスに注いで先生の隣に座った。


「おつかれ。」


ホットの入ったカップを私に差し出した。


「有難う。」


カップと、オレンジジュースの入ったグラスで乾杯した。