暗い夜道から、二つの光りが見えた。


先生の車のヘッドライトだ。


段々と近付いてきて、私を照らす。


「ごめん、待たせて。」


「ううん…。」


助手席のドアを開けて当たり前の様に座る私。


「夜景…見るか?」

「うん。」


真っすぐ前だけを見て運転する。


私の大好きな大きな手はハンドルを握ったまま。


先生…?


何か言って?


でないと…不安で仕方ないよぉ。