「せっかくだから、その辺散歩でもする?」


小さく頷いた。


先生に手を引かれながら歩く。


旅館を出て、小道を歩きながら、緊張で話せない私の代わりに先生が喋る。


緑の中、先生と二人でどこまでも歩く。

空気が美味しいね、先生。


空を見ると、綺麗な水色で、白い雲がポッカリと浮かんでいた。


先生…私忘れないよ?


先生と見るこの景色を。

この空を。