「…ってマヂでか?相手誰だよ?」


「あ、始業5分前だ。
じゃ、俺行くから。」


「おいっ!
今夜開けとけよ?
酒飲みながら、続きを聞いてやるからな!!」


スゲー勢いでまくし立てる戸川先生に、思わず吹き出した。

「はいはい、いつもの居酒屋だろ?じゃな。」


ヒラヒラと手を振って、美術準備室を出た。


そうなんだ。


俺は、いつの間にか飯塚を好きになってた。


もう誰も好きにならないと決めていたのに…。


恭子……。


俺が本気で愛した、女性。