「るきあが、綺麗な女の子と笑いながら歩いてるの見たの。」
もう悲しくなかった。
きっと尚くんが隣にいるから。
「アタシだって信じたくなかった。るきあじゃないんだって。似てる人なんだって。」
でもるきあだって証拠があったの。
ピアスがついてたの見たから。
お揃いのピアス。
それ見て、あぁ・・・るきあなんだ。
って思った。
「でもるきあだったの。アタシの時と同じ笑顔を向けて歩いてた。」
あの子にも本性出してるの??
アタシだけが特別じゃなかったの??
「アタシといる時より、あの子といる方が・・・似合ってた・・・」
似合ってるって思ったのは本当。
心の底から思った。
仲のいい恋人同士だって。
「るきあはあの子が好きなんじゃないかって。そう思った・・・」
涙は流れなかった。
なんでだろう。
あんなにたくさん涙を流したから枯れちゃったのかな??
「幼なじみだから、隣に居てくれるだけなんじゃないのかなって」
「かけるちゃん、それ本気?」
「本気だよ、本気じゃなきゃこんな憎いこと言わないよ・・・」
ピリリリリ
最近よく携帯が鳴るなぁ。
誰だろう。
【なんかあった?】
るきあだ・・・
尚くんと同じセリフを言う彼。
返信するなんて選択肢はない。


