ボトリと重荷を下ろすかのように
差していた傘を道端に落として、
うずくまる。
何回涙を流せば、
何回苦しめばいいのだろう。
「お嬢ちゃん、大丈夫かい??」
「はぃ。」
親切にしてくれた人に申し訳ないけど、
話しかけないで欲しい。
何も知らないくせに、
大丈夫?とか言わないで欲しい。
「ちょっと、君。」
「誰・・・」
めんどくさそうに振り向くと
傘を差している尚くんだった。
「かけるちゃん??」
「尚くんっ・・・」
「どうしたの?!びしょびしょ・・・」
「何でもないよ、大丈夫。」
「いいから俺の家来いよ、風邪引くって。」
「でも、いいから・・・」
「いいからじゃねぇ、来い」
「尚くっ・・・ん・・・」
いつもの優しい尚くんじゃなくて
真剣な顔のいかにも怒ってそうな顔した尚くんがいた。
「入って。」
「お邪魔します・・・」
「誰もいねぇから、大丈夫。」
初めて入ったるきあ以外の男の子の部屋。
綺麗に整頓されている。


