<<家だろ?居るんだろ?おぃ!>>


話してる最中にも関わらず、

電話を切る。


「知らない。もう、知らない。」


苦しかった、

切なかった、

悲しかった、

辛かった、

悔しかった、

嫉妬した。

あの美少女に。

るきあはアタシなんかじゃなくて

本当はあの子が好きなんじゃないだろうか・・・

幼なじみだから我慢してるの??

アタシがいなかったらるきあは

あの子の隣で笑ってたの??


「ぅ・・・っ・・・ヒック」


アタシの瞳から大粒の涙が溢れる。

アタシの心を表すかの様に、

空が暗く、怪しく、雲に覆われる。

・・・雨が降る。


「アタシが・・・いなかったら・・・」


無意識のまま、どしゃぶりの中、

傘を差してゆっくりフラフラと歩く。

通り過ぎる人たちがアタシを見て過ぎていく。

もう見られるのは慣れたよ。


「アタシがっ・・・・・・っ」


傘はちゃんと差してるのに、

頬を伝う雨。

頬が濡れてゆく。