「腹減ったぁ…なぁ師匠お前ってうまいのか?」

ふいと、「師匠」と呼ばれた小さな生物が顔を上げる。

「…うまくないらしいぞ。もっとも、俺の仲間から聞いた話だから分からないがな」

と少し眉間にシワをよせながら話す。食われるのがイヤなのだろう。

「ちっなんだ。腹のたしぐらいにはなると思ったんだけどなぁ。」

ともの欲しそうに青年は師匠を眺めた。

「そんな目で見たって旨くはならんぞ。りぃ、そんな事より早いとこ今日の宿を見つけた方がいいのではないか?」

「りぃ」と呼ばれた青年はなるほど、という感じで頷いた。

「んじゃまぁ、そこらへん歩いてる人にでも頼むか。」