「みるちゃんは?名前ひら仮名?」

いきなりの質問にどぎまぎしてしまった。

「えっ!あっ…違います。美しいに流れるです。」

「いい名前だね」

「はい!あたしも気に入ってるんです!」

私はハッとした。
初めて話す人にこんなに積極的になったのは久しぶりだった。

両親が亡くなって、彼氏に引き取られてから、男とはもちろん、女とも会わせてもらえなかったのだから。


和樹がいきなり笑い出した。

私がビックリしていると、心を見透かしたように言った

「自分の名前でこんなにテンション上がる人見るの初めてでさ。でも、自分の名前に自信持てるってすっげーいいな!」

私は誉められることがあまりなかったから、かなり照れていた。

そんな私を見て、和樹がまた笑っていた。