「もう隅々まで知り尽くしてるって言うのに、何がそんなに恥ずかしいんだか」
溜め息をはきながら、悠河がお湯の中であたしの身体に手を回す。
悠河に触れられて、ピクリと反応する正直なカラダ。
そう、いつだってあたしはこうして、悠河にドキドキの主導権を握られているんだ。
「っていうか、普通は誰だって恥ずかしいと思う!」
「もっと恥ずかしいことしてるのに?」
「そ、それとこれとは別っ」
悠河はクスクスと余裕の笑みを浮かべている間にも、その指はあたしの身体を忙しく動き回る。
「……っ」
思わず零れそうになる甘い声を両手で塞ぐと、そっとその手を解かれ、耳元でもっと甘く囁かれた。
「もっと気持ちいいこと、ここでする?」
それがどういう意味かはもう分かってる。
悠河が熱い身体を押し付けてくるから、ここであたしが頷けば、きっと……。