「明っ!!」 聖の声が聞こえた。 「聖!?」 柚野さんから身を剥がし、高さのことを忘れて聖の姿を探す。 工事現場の入り口辺りから駆け寄ってくる人……聖だ。 少し離れてカメラを持った人や、反射板を持った人などたくさんのスタッフがやってくる。 「あ……もうダメ……!」 下を見たせいで自分がいる高さを実感してしまった。 卒倒してしまいそうになりながら、また柚野さんへ体を預ける。 それを見逃さない聖。 「爽!何、明をたぶらかしてんだ!」 ほら……やっぱり妬いちゃった……。