俯きながら聖が洗面所から出てくるのを待っていると、


「俺は洗面所にまで着いて行きたくなるくらいいい男だろ」


なんて言いながら聖があたしの頭の上に手を置いた。


「え?」


思わず見上げると、不敵に笑ういつもの聖がいた。


「だからお前が爽によそ見する、なんて思ってない」

「聖……!」


そうだよね。

信じてくれてるよね。


「それにこの俺が、浮気するような奥さん選ぶわけがないだろ」


自信満々に言ってのけながら、おでこにチュッとキスをくれた。