「んん……」 聖の温もり……。 チュッと唇を吸うような口付けを何度か繰り返された後、じわりと舌が唇を割って入ってくる。 緊張と不安で固まっていた心が、ゆっくり解きほぐされていく……。 「はぁ……聖……っ」 「明……」 聖の包み込むように響く声と、聖自身から醸し出される甘い香り……。 黒ずくめのボディガード二人との気まずい時間、 連れ去られてたどり着いた高所と腹立たしい誘拐犯、 柚野さんの意外な一面に上がった心拍数、 全て……忘れさせてくれる。