サクラノコエ

そういえば、いつも俺が和樹の家に行くばかりで、和樹が家に来るのは1年半ぶりぐらい。多分和樹が美奈と最後に会ったとき、美奈は中1だった。

どちらかというと小さいほうだった美奈も、そのころからぐんぐんと背が伸び、今は163センチ。

和樹が驚くのも無理はない。

「私だって、もう中3なんですよ。それなりに大きくなりますよ」

「いやいや。大きくなっただけじゃなくて、大人っぽくなってビックリしたよ」

和樹の言葉に、美奈はとても満足げに笑う。

これは絶対に俺には見せない「女」の表情だ。

そういえば、美奈は昔から和樹のことがお気に入りだったっけ。

飯を食う前に電話したときの会話を横で聞いて、慌てて着替えたんだな。

まぁ、ちょっとした女心か。と、美奈の行動を微笑ましく見ていると、奥から母さんまで出てきたのだが……

「あ、和樹くん、いらっしゃい」

そう言った母さんの顔を見て、俺の目は点になった。