サクラノコエ

あまり押されると嫌になるが、理紗程度に好意を示してくれるのは気持ちがいい。

何度も言うけど、優しくするのは俺に興味を示している女に対しての単なるサービス的な物だ。

これも、女にモテることばかり考えてきた俺が身につけてしまった「悪い癖」と言っていいだろう。

昇降口に入ると隆司が俺を待ち構えていて、待ってましたと言わんばかりに

「なぁ、なぁ! さっきの悠人の彼女?」

と、飛びついてきた。

「なんだよ、面倒くせぇな。そんなんじゃねぇよ」

「そうか? いい雰囲気だしてたけどなぁ」

「あんなのは上辺だけ」

下駄箱で上靴に履き替えながら、ちょっとカッコつけ気味に言ってみる。