サクラノコエ

色々な本を読んでもらった。

三人とも好きな本がバラバラで、なにを読んでもらうかとケンカになることもよくあったが、この本は皆が気に入っていて、読んでもらった回数が群を抜いていた。

そういえば、姉ちゃんはいつも同じところで話にツッコミを入れていたっけ。

そんな姉ちゃんに、俺がツッコんで。

それを見て、美奈がケラケラ笑って。

そんな俺たちを見て、母さんも楽しそうに笑って。

懐かしいな……

美奈の声が、耳に心地よく響く。

美奈の声は、母さんの声によく似ている。

久しぶりの穏やかな時間。

その声に誘われるように、いつの間にか俺も眠りの世界に落ちていた。