駅に向かって戻る途中、ふいにケータイがメールの着信音を鳴らした。

ポケットからケータイを取り出して歩きながら開いてみる。

メールは理紗からの物だった。

『先ほどはありがとうございました。気をつけて帰って下さいね』

相変わらず、絵文字もなにもないメール。

おそらく理紗は家に着いてすぐにパソコンを開き、急いで俺にメールをくれたのだろう。

そんな理紗の姿を想像したら、とても微笑ましく思えた。