サクラノコエ

美奈が桃香に本を読み始める。

読んでいるのは、子供のころから変わらず家にある絵本。

壁を隔てて美奈の声を聞きながら、この絵本を母さんに読んでもらっていた子供のころを思い出す。

あのころは、まだ借家のマンション住まいで、みんなで一つの部屋で寝ていた。

姉ちゃん。

俺。

美奈。

三人並んでコロコロ布団に寝転がりながら、母さんが絵本を読むのを聞いた。