サクラノコエ

けれども、そんな母さん言葉は俺の耳にほとんど入っていなかった。

「なんで……? なんで俺なんだよ」

「ん?」

「あそこで働いていなかったら……そうだよ、あそこで働いたから、こんなことになったんだ」

「仕事でなにか……」

「働いてなかったら……定時制に行かなければ」

ゆっくり体を起こして力なく座り、ブツブツとつぶやく。

「そうだよ。定時制なんか行ったからだ……定時制に行かなければ、こんなことにはならなかったんだ」

気持ちを押さえつけられ、怒りに変わってしまった感情の矛先は、段々と道を外し、全く見当違いな所へ向かっていく。

「……悠人」

「そうだよ。定時制なんて行きたくなかった……制服着て、朝からちゃんと学校に行きたかったんだ!」

俺はその怒りを、声を荒げ理不尽に母さんにぶつけた。