サクラノコエ

あれは飼っていたインコを、俺の不注意で死なせてしまったときだ。

当時うちはまだマンション住まいで、死んでしまったインコを埋めてやれる場所がなく、仕方なしに俺は近所の公園に行き、桜の木の下に秘かに埋めた。

泣きながら穴を掘っているあいだ。インコを埋めているあいだ。舞い散る桜の花びらが涙のように思え、桜の木までインコの死を悲しんでいるような気がして余計に泣けた。

花が散るのを見ながら「桜が泣いている」なんて思う感覚は、今ではすっかり忘れていたけれど……

純粋だったあのころの自分。

それと同じことを、感じられる村田理紗。

悪い奴ではないかもしれない。純粋に俺に興味を持ってくれているのかもしれない。

村田理紗に対する警戒心が俺の中で和らぐのを感じる。