サクラノコエ

「ん?」

トオルはこの体が抱える病気を知っているのだろうか?

トオルは、ちゃんと割り切れているのだろうか?

俺と理沙が会ってること。

自分の彼女の体が、他の男に抱きしめられたりすること。

「なんでも♪」

「え~!?」

公園に着くと、俺たちはまっすぐいつものベンチに座った。

遊具が少ないせいか、いつもほとんど人がいない小さな公園。

案の定、今日も誰もいない。

いつもは二人だけの特別な場所のような気がしてワクワクするのに、日が落ちているからか、俺の気持ちが沈んでいるからか、今日は街頭に照らされたベンチがとても物淋しく映った。