サクラノコエ

ダメだ。

こんな顔をしてたら。

『どんなときでもスマイルを忘れないこと』

そうだ……

笑顔は俺の得意技じゃないか。

「そんなことねぇよ」

「ホント? 無理してない?」

「するわけないだろ? 俺、理沙の前では超自然体だし。調子悪かったらちゃんと言うって」

俺は落ち込む気持ちを必死に立て直して笑顔を作り、精一杯明るい声を出した。

「あ、そうだ! 今日はちょっと公園寄って行こうか」

「え?」

「お前の『初・炊き込みご飯』だし、一緒に食おうよ」

「うん!」

以前なら、こうやって誘っても絶対断られていた。

理紗はあのホテルの一件以来、ますます俺を信頼してくれている。

俺たちは、順調に距離を縮められているんだ。

「あ、でも学校は?」

「少しぐらい遅れたって大丈夫」