サクラノコエ

「くすぐった~い」

理紗も重い空気を避けようとしているのか、ケラケラと明るく笑う。

その笑顔を見て俺も少しホッとした。

ところが次の瞬間、理紗は急に真顔になり、いきなり俺の胸に飛び込んできた。

「大好き!」

さらに勢い良く告げられた言葉。

あまりの唐突さに驚きながらも、理紗のまっすぐな言葉にふっと笑いながら小さく「うん」とあいづちを打った。

「悠人くんも?」

「大好きだよ」

優しく言いながら、顔を上げずにいる理紗の髪をそっと撫でる。

理紗はそのまま、なにも言わず俺の胸元に顔をうずめていた。

俺の背中に回された理紗の手は、少し震えているようだった。