サクラノコエ

俺はもう一度肩の傷を見たいと言い、肩の傷を見せてもらった。

その傷から目を背けず、しっかりと受け止めなければいけないと思ったからだ。

「あまり見ないで。恥ずかしいよ」

見れば見るほどに心が締め付けられる、痛々しく大きな傷跡。

理紗は毎日、この傷をどんな気持ちで見ているんだろう……

「消毒♪」

俺は、重い空気にならないように軽い口調でそう言って、肩の傷跡にそっと口付けた。

さっき思わず拒否してしまったお詫びに。

そして。

せめて、理紗がこの傷を目にしたときに辛くならないように。と。