サクラノコエ

「出来る?」

「わかんない」

「じゃ、理紗からしてみて」

俺は余裕な笑みを浮かべて、少し意地悪にそう言い、理紗の唇に軽く唇を重ねた。おそらく理紗からはなにもできないだろうと思いながら。

ところが、俺の予想に反し、少し間をおいて理紗の舌が現れた。いい意味で予想を裏切る事態に、ますますテンションが上がる。

理紗のそれは猫みたいにペロッと俺の唇をかすめて、すぐに引っ込んだ。

理紗にとって精一杯の大人のキス。

そのあまりにも幼い感じに、いけないと思いながらも思わず吹き出してしまった。