サクラノコエ



「理紗。俺、今日ここに泊まるから、お前ももう少し一緒にいてよ」

理紗はいつもならいい顔を見せない俺の提案に、意外にもあっさりと了承してくれた。

俺の馬鹿な考えからホテルの部屋を取ってしまったが、お陰で理紗といつもより長く理紗と過ごせる。

それは、俺たちにとって大きな一歩。

「悠人くん温か~い♪」

俺たちはとりあえず場所をソファーに移した。

理紗の肩を抱きながら、並んでテレビを見る。何気ないことだけれど、凄く嬉しい。

「寒いか? お前浴衣だもんな。上、着るか?」

「ううん。悠人くんにくっついてるから平気」

そう言いながら、子猫のようにじゃれついてくる理紗。

いつもはこんな風に自分から甘えたりしてこないけれど、どうやら人目がないということと、初めて「ホテル」という場所に入ったことでウキウキしているようだ。