サクラノコエ



理紗から唇を離し、強引なキスを受けてすっかり怯えている理紗を今更のように優しく抱き締める。

「大丈夫か? 怖かったよな……」

しらじらしく、そんなことを言いながら。

しかし理紗は、そんな最低な俺に震えながらもギュッと抱きついてきた。

「……ご、ごめんね……」

「え?」

「お、大人のキスしてくれたのに……どうしたらいいか分からなくて。ごめんね。もう、怖がったりしないようにするから」

更に一生懸命そう言って謝る理紗の言葉に、胸が詰まった。

俺のことを疑いもしないで、まっすぐに俺を想ってくれている理紗の濁りのない心。

「悠人くん?」

理紗を疑い、こんな方法で理紗を試した馬鹿な自分。