サクラノコエ

だけど、他の男の匂いが理紗からしてくるのは、正直嫌で……

とりあえず、他の男の気配を感じるその匂いを洗い流してもらおうと思った。

けれども、ホテルに向かって歩く間もそれは容赦なく漂ってきて、その度俺の心を大きく乱してきた。

普通に話をするぐらいでは、あんな風に匂いは移らない。

抱き締められたのか……

あるいは全身の肌が触れあったのか……

他の人格だと頭では割り切っているつもりでも、この体が直前まで誰かに抱かれていたかもしれないことを全く気にしないでいられるほど、俺の心は大人じゃない。