数分後、理紗は俺に言われたとおり浴衣姿で部屋に戻ってきた。
初めて着たのか、ただなんとなく浴衣を前で合わせて、帯で留めたといった感じの不格好な着方。
律儀に髪も洗ったらしく、髪が濡れている。
「ゆ、悠人くん……あの…浴びてきたけど……」
俺に声を掛けながら、理紗はビクビクと廊下と部屋の境に立ったままソファーに座る俺に近付いてこようとしない。
思いも寄らぬ展開に、かなり警戒しているように見える。
俺は「うん」と小さく返事をしながら立ち上がると、ゆっくりと理紗に近付いていった。
壁とデカイ俺に挟まれ、身動きがとれず俯く理紗の頬をそっと撫でながら、両手で包みゆっくりと顔を上に向ける。

