サクラノコエ

「ごめんなさい。遅くなっちゃって。気付いたら……」

「なにも言わなくていいよ」

俺は理紗の言葉を遮り、理紗の頭をクシャッと撫でると、軽く笑って見せてから

「おいで」

と、理紗の手を引いて学校と反対方向に向かって歩き出した。

「ゆ、悠人くん? 学校は?」

いつもと違う展開に理紗は慌てていた。

「今日は行かない」

だけど俺はボソリとそう言ったきり、目的地まで無言で歩いた。