サクラノコエ

目をつむったまま、理紗のことを考える。

理紗はいつも、どんな気持ちで俺が来るのを待ってんのかな。

あいつのことだから、待ってる時間も楽しいんだろうな。

きっとソワソワしながら、嬉しそうに、俺の姿が見えるのをじっと待っているに違いないよな。

いつも俺の姿を見つけると、大きく手を振って走ってくる。

その笑顔がとてもかわいい。

理紗の笑顔を思い出し、口元が小さくゆるむ。

と、ふっと自分の前に人の気配を感じて、俺はゆっくりと目を上げた。

「悠人…くん」

目の前に立っていたのは理紗だった。

激しく息を切らし、俺が学校に行くまでに間に合わせようと一生懸命走ってきてくれた事が分かる。

その健気さに、また、胸が締め付けられる。